インスリンの基礎知識

糖尿病というのは、インスリンの分泌不全や機能不全に関わってくる疾病として知られています。
それではインスリンとはそもそもどんなものなのでしょうか？
治療の一貫としてインスリン注射を使用する場合もあります。これにつきましては、インスリンの分泌が足りなくなってしまっていることから、血糖コントロールが出来なくなってしまい、注射によってインスリンを補っているものとなります。

しかし勘違いをしている人が大勢いますが、インスリンが不足をしてしまっているということは、すなわち糖尿病になってしまっているというワケではないのです。
インスリンを注射するということは、血糖値をコントロールするためとなります。
糖尿病と呼ばれている病気には様々なタイプが存在しており、患者さんによって進行度の差も生じてきますので、必ずしも糖尿病だからといってインスリン注射をしなければいけないということではありません。

血糖値をコントロールすることが重要なので、その他の方法で血糖コントロールが出来る場合におきましてはインスリン注射を行うことはありません。
もともと人間のインスリン分泌の目的というのは、大きく分けて二種類あります。
まず一つ目としまして、食事と直接関係なく分泌されている肝臓や体内での糖代謝を助けている基礎分泌となります。

そして二つ目としましては食事をした後の急激な血糖上昇に対応するための追加分泌ということです。
このどちらかが欠けてしまっても体に重大な負担が生じてしまうことから非常に重要な役割を持っているのです。

日本人における多くの糖尿病患者さんというのは、二つ目の追加分泌に問題が起こってしまっているものなのです。
このことからインスリン注射と言いましても、患者さんの症状に合わせて使用をする必要があるのです。
そして薬物療法の中には、インスリン注射を使用することのない方法もありますが、なんといいましてもインスリン治療が薬物療法のメインとなってきます。

このように糖尿病はインスリンの作用が通常よりも鈍ってしまって引き起こされている病気なのです。インスリン治療はその意味で、糖尿病治療における特効薬とも言えるのです。
インスリンは内服をしたとしても、腸で分解されてしまいインスリンの効果が無くなってしまうことから、現在のところは実際に注射をして摂取しなければいけません。

このインスリン注射は一日で決められた時間に何度も注射をしなければいけません。
普段の生活にのしかかってくる負担は決して軽いものではありません。一度でも注射を忘れてしまいますと、病状にとても悪い影響を与えてしまうことがあります。

それとは逆に、誤ってインスリンを大量に摂取してしまうことにより、低血糖を招いてしまい危険な状態になってしまうこともあるのです。