インスリン療法

健康な人と同様のインスリンの分泌パターンに近づける「強化インスリン療法」

インスリン療法というのは、患者さん自身でインスリン製剤を注射する治療方法のことを言います。
一般的にインスリン療法は経口薬を使用することの出来ない場合や、経口薬治療で十分となる血糖値が下がらない場合に必要となっています。

 

このインスリン療法は体外からインスリンを補充することによって、膵臓から分泌されているインスリンに代わる働きをさせることの出来る療法となっており、これまでは出来る限り少ない使用回数で血糖値をコントロールするやり方が主なものとなっていました。

 

しかし最近におきましては回数やタイミングを調整することによって、健康な人と同様のインスリンの分泌パターンに近づける「強化インスリン療法」が主な治療方法とされています。
この時の注意点としてましては、インスリン療法は血糖値を容易に低下させることが出来る反面、 低血糖を引き起こしてしまう恐れがあることが挙げられます。
血糖値の自己測定を欠かすことなく、砂糖やブドウ糖を常時携帯するなどといった、低血糖の理解と対処方法を十分に学んでおく必要があるのです。

 

インスリン製剤の注射器の種類には「バイアル」「ペン型」が存在しており、 痛みが比較的少なくなっているのがペン型が主流となっています。
インスリン注射する部位としましてはお腹や上腕、お尻、太腿などがあります。中でも特に腹部は薬の吸収が良いとされており、皮下注入しやすいことから、注射に適した部位と言えます。
しかし、注射の位置は毎回ずらさなければいけません。

 

ペン型注射器の使い方についてはそれほど難しいものではなく、針も細く、痛みもかなり軽減されています。
それでは簡単に手順について説明させていただきます。
@使い捨て針を注射器にセット
A注射器の目盛を決められた位置に合わせる
Bインスリン注射する場所をアルコール消毒してからつまみながら注射する
※5〜10秒程そのまま待ってから、針を抜く
Cアルコール消毒をして少しの間、抑えておく

 

この手順で、慣れてしまえばさほど難しいものではありません。
中にはインスリン製剤を注射するのに抵抗を持っている人がいることでしょう。
インスリン療法に対して「最後の手段」「始めたら一生続ける必要がある」などと思い込んでいる患者もいらっしゃることでしょう。
しかし、早い段階でインスリン療法を取り入れることによって、高血糖を改善することができ、膵臓のインスリン分泌機能を温存できるというメリットがあるのです。



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